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SaaSの新規事業を任されたらまず初めに学ぶべきこと(実践編)

目次

    本記事は「SaaSの新規事業を任されたらまず初めに学ぶべきこと(基礎編)」の続編として、実際に事業計画をつくり、そして事業を運営していくうえで重要なポイントを解説します。

    ベンチマークを置き、実際にKPIを作成する

    基礎編で紹介したSaaSビジネスの主要KPIのうち、最も重要なのはARR(MRR)です。一般的に投資家はSaaSビジネスに「ARRが100億円まで最速で到達できる計画」を求めます。そのため「ARR100億円」を当面のゴールとしたうえで、目標達成に必要な期間やKPIを逆算することを推奨しています。

    ※逆算型でのKPI設定を行うべき理由は、こちらの記事にて詳しく解説しています。
    なぜ事業計画は「トップダウン(逆算)」で作るべきなのか

    また事業計画には「蓋然性」(計画の確からしさ)が求められます。新規事業に対して投資してもらうためにも、また事業のポテンシャルを企画段階で正しく判断するためにも、SaaSビジネスでベンチマークすべき指標にはできるだけ則りましょう。

    ベンチマークすべき成長モデル・T2D3

    ARR100億円の達成に求められるスピードとしてベンチマークすべきなのは、「T2D3」と呼ばれる成長モデルです。

    T2D3はARRをTriple(3倍)・Triple(3倍)・Double(2倍)・Double(2倍)・Double(2倍)と毎年成長させていくモデルで、ユニコーン企業となった多くのSaaS企業がT2D3に沿った成長を実現しています(Salesforce、Marketoなど)。

    T2D3の成長モデルに沿って事業をグロースさせるタイミングは、サービスインから1〜2年かけてPMF実現・ARR2億円を実現してからとなります。

    ※T2D3における7つのフェーズでやるべきことは、こちらの記事で詳しく解説しています。
    今さら聞けない「T2D3」-理想的なSaaSの成長モデルを紐解く-

    T2D3以外のベンチマーク:最低限目指すべき成長モデルとは?

    一方でT2D3に沿った成長を実現している日本のSaaSスタートアップはまだ少ない状況です。そのためSaaSビジネスに最低限求められる成長モデルとしては、日本の先行SaaS企業であるfreeeやSansanの成長曲線を参考にするとよいでしょう。

    ARRの成長モデルが決まったあと、KPIはどう決めていくか

    SaaSビジネスの最重要KPIであるARRの成長モデルが決まったら、それを実現するために必要なKPIを逆算で決めていきます。例をあげましょう。

    • ある年度のARRを実現するためには、顧客数・ARPAはそれぞれいくら必要でしょうか?
    • 目標とする顧客数を実現するためには、どれだけの新規受注とどれだけの解約率が求められるでしょうか?
    • 目標とする新規受注数を達成するためには、どれだけの受注率と商談数が必要になるでしょうか?


    freee・Sansanの成長曲線をもとにした下調べもそうですが、SaaSビジネスにおける一般的な受注率・解約率などの数値を自力でイチから調べるのは非常に骨が折れる作業です。蓋然性の高い事業計画をスピーディーに作成するためには、VCなど投資家の知見を仰ぐか、もしくはSaaSビジネスの事業計画作成に特化したSaaSを利用すると良いでしょう。

    「projection-ai」では先行SaaS企業のKPIの平均値がデフォルトで入力されている


    月次でKPIの予実管理を行う

    蓋然性の高い事業計画を作成し、資金調達が無事に完了したら、いよいよ事業を進めていく番です。

    少しでも成功確率を高める事業運営のポイントは予実管理、中でも「予実差異分析」にあります。
    月次で予実管理を行うことで、必要なテコ入れ施策や仮説の修正・ピボットなどの判断をより早く行えるためです(同時に投資家など外部のステークホルダーに対する説明責任を果たしやすくなります)。

    事業計画は、起業家の想いの実現可能性を一定の確からしい仮説・ロジックに基づいて検証したものといえます。そのため、もしARR(MRR)の実績が計画に対して下振れしている場合には、次のような対応を取りましょう。

    • ボトルネックとなっているKPIを特定し、そのKPIの責任者と共に改善施策を検討する
    • 改善施策を一定期間続けても効果が出てこない場合には、KPIや事業計画の作成根拠となった仮説・ロジックを修正し、プロダクトもしくは事業計画の見直しを行う

    「projection-ai」では活用したKPI単位での予実管理が可能


    特に1点目のボトルネック解消に向けた取り組みは『ザ・ゴール』でも紹介されている管理会計的なアプローチです。こうした管理を早くから「当たり前」にしていくことで、最終的には上場審査の主要トピックの1つである「予算統制」を難なくクリアできるはずです。

    ボトルネックを正しく素早く発見したり、事業計画の見直しが必要になった際にシミュレーションを素早く変更したりなど、事業の運営に事業計画を有効活用するためには、事業計画SaaSの利用を推奨しています。

    Excelやスプレッドシートでは複数パターンの事業計画作成が難しかったり、あとから変数を追加・削除しにくかったり、関数ミス・転記ミスで正しい情報が得られなかったりと、実務上のさまざまな問題点があとから噴出しやすいです。
    こうしたミスを削減しつつ、事業計画の使い勝手を高めるためにも、積極的に事業計画SaaSの活用を検討しましょう。

    SaaSビジネスに特化した事業計画作成SaaS「projection-ai」

    事業計画SaaS「projection-ai」は国内・海外の上場SaaS企業のKPIをベンチマークとした事業計画を逆算型で作れるため、Excel・スプレッドシートを駆使するよりもかんたんに、かつ蓋然性の高い事業計画を短時間で作成できます。

    またprojection-aiには、事業計画の実現に向けた月次KPI・行動指標を管理する機能や、月次での予実対比を行う機能があります。そのため資金調達に向けた準備の枠を超えて、経営管理においても事業計画の有効活用が可能です。

    projection-ai は7日間のフリートライアルを実施していますので、事業計画の作成に取り組んでいる起業家の方はぜひご活用ください。

    projection-ai 7日間フリートライアル


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