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信頼される事業計画書の作り方

目次

    VCが事業計画書に求めること

    起業家が作る事業計画書に対して、VCは何を求めているでしょうか?気になる起業家の方も多いのではないでしょうか。

    VCは事業計画から「誰が何をやって、いつまでにいくらの売上・利益をつくる計画なのか」「その計画は本当に実現するのか」といった、ごくごく当たり前のことを知りたいと考えています。この中から今回は、「その計画は本当に実現するのか」、言い換えると「事業計画の蓋然性」に関して見ていきたいと思います。

    事業計画の蓋然性・計画実現に向けた行動指標

    売上成長率の根拠はもちろん、描いた成長曲線を実現するためのKPIや行動指標が整理されていなければ、実現可能性の検討が甘いと判断されてしまいます。

    蓋然性や実現可能性を高めるには、先行他社の事例を参考にしながら、たとえば「20xx年に10億円のARRを実現するために、いつまでに○○件の問合せ・商談・受注を獲得する」といった行動指標が逆算型で設定されていることが重要になります。

    注意点は必ず「逆算型」で行動指標を決めることです。なぜなら、VCはSaaS起業家に「ARRが10億円まで最速で到達できる計画」を求めているからです。

    最速でのARR10億円到達は通常、積み上げ型の思考では実現できないチャレンジングな目標になります。だからこそ高い目標から逆算して、必要な行動とその目標値を洗い出すべきなのです。

    ※VCが事業計画をみるポイントについて、今回の記事の一番下に、日本を代表するVCの方々とのインタビュー記事を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

    逆算型の事業計画はVCとの対話をスムーズにする

    VCは事業計画の目標ARR・MRRを見た際に、必ず目標から逆算して「受注数」「商談数」「リード数」「セッション数」が何件必要かを確認しようとします。成功しているSaaS企業の実績をベースにKPIを逆算することで、受注に至るまでのパイプラインに無理がないかを確認するためです。

    たとえば実績ベースのリード率、商談率、受注率と予算でのそれらのKPIが大きく乖離していたり、売上計画から逆算してみたら、マーケティングや営業人員と比較した時に到底達成不可能なリード数や商談数が前提となっていたりということは黄信号です。

    もしくはVertical SaaSのようにターゲット市場が限定される場合、市場規模に比べて必要とされる年間セッション数・年間リード数が高すぎるときは、リード率・商談率・受注率を改善したり、ARPAを上げることで必要な受注件数を下げる、といった計画修正が必要だと考えられることもあります。

    であればこそ、起業家はVCの思考を理解し、また事業計画の蓋然性を高めるためにも、先回りで逆算型の事業計画・KPIを立てておくことが望ましいと言えます。自身でパイプラインが破綻していないかを検証しておけば、VCとの対話がより有意義になることでしょう。

    “projection-ai” では、「目標ARRからの逆算」でマーケティングのKPI・行動指標まで設定できる


    生きた事業計画には納得感が必要

    最速でARR10億円を達成する事業計画を「生きた事業計画」にするには、ステークホルダーの納得感を醸成することも必要です。ここではVCとステークホルダーに焦点をあてて、どういった納得感をつくるべきかを解説します。

    VCの納得感

    VCから納得感を得たい理由、それは資金調達を実現させるためです。あなたの描いた事業計画に納得し、信じてもらうことで資金調達を成功させることが出来ます。

    そのためにはまず、前節で述べた通り、「VCが事業計画に求めること」=事業計画の蓋然性・計画実現に向けた行動指標をしっかりと準備することが大切です。

    少し補足すると、特にシード期では「なぜあなたが、その事業をやる必要があるのか」も問われます。事業計画書をつくるのは計画達成の第一歩ですが、計画を実行するだけで5年〜10年は平気でかかり、また事業が軌道に乗った場合は数十年にわたって事業を運営し続ける必要があります。だからこそVCは、経営者や経営チームに対して事業にコミットする覚悟を知ろうとします。

    社内メンバーの納得感

    実際に業務にあたるメンバーが計画に納得していなければ、経営者と同じ方向へと自律的に歩めず、成長スピードが落ちてしまいます。言い換えると、事業計画の実現可能性が下がってしまいます。

    そこで経営者は、メンバーとKPI・行動指標の合意を得ることが重要になります。具体的には、マーケティング担当者や営業担当者と共に下記のことを行うことが理想と言えます。

    • 目標ARRからの逆算で、必要な施策を洗い出す
    • 施策の評価基準として、月次・週次でモニタリングするKPI・行動指標を定める
    • KPI達成に向けた不安要素を1つずつ潰していく


    計画実現に向けて必要な取り組みを「受注数」「商談数」「リード数」「セッション数」などのKPIに分解し各メンバーにわかりやすい目標を与えることで、メンバーは目標KPIの達成を自分ごととして捉えやすくなります。またシンプルでわかりやすい目標KPI設定をすることで、目標の明確性を高めつつ作業の複雑性を下げ、目標達成を促します。

    場合によってはKPIの目標値が高すぎるなど、メンバーから「できない理由」が語られることもあるかと思います。しかし、そのできない理由と丁寧に向き合うことで、「経営者として、いつ、何のリソースを手配すれば、できない理由をつぶせるか」を検討できます。つまりメンバーと地道に対話することで、メンバーの心理面も含めて事業計画の実現可能性を高められるのです。

    別の観点からすると、KPI・行動指標などの基準がないまま経営者から「とにかく受注せよ」「とにかく集客せよ」と指示されてもメンバーは困ってしまいます。実際に施策を実行したとしても、その取り組みが成功だったのか失敗だったのか、次回はどのように軌道修正すべきかなのかが誰にもわからない状態に陥りかねません。

    明確な基準がないがゆえに、最悪の場合メンバーは「頑張っているのに評価されない」と不満を募らせることにも繋がります。つまり評価の納得感を醸成するためにも月次の目標設定は重要だと言えます。

    また、経営者が事業計画を経営判断に活用しつづける重要性にも触れたいと思います。

    メンバーと合意したKPI・行動指標は、週次・月次でモニタリングしていなければ形骸化しかねません。人は易きに流れがちですが、一方で「経営者に見られている」とメンバーが感じていれば、ちゃんと正しい方向に行動を向かわせることが出来ます。

    “projection-ai” では、SaaS企業に求められる月間KPIの推移を視覚的に確認できる


    加えて、実現可能性をきちんと検証した「使える」事業計画であればこそ、予定と実績の差異分析が経営改善の有効な手段となります。特に予定より実績が下振れている場合、組織のどこかにボトルネックがあるか、事業計画で想定できていなかった変数があるはずです。下振れの原因を見抜いて早期に対策する体制・習慣をつくり、事業計画の実現可能性を高められるようにすることが重要となります。

    “projection-ai”でできること

    事業計画SaaS “projection-ai” は国内・海外の上場SaaS企業のメトリクスをベンチマークとした事業計画を逆算型で作れるため、Excelを駆使する場合よりもかんたんに、かつ蓋然性の高い事業計画を短時間で作成できます。

    またprojection-aiには、事業計画の実現に向けた月次KPI・行動指標を管理する機能や、月次での予実対比を行う機能があります。そのため資金調達に向けた準備の枠を超えて、経営管理においても事業計画の有効活用が可能です。

    projection-ai は7日間のフリートライアルを実施しているので、事業計画の作成に取り組んでいる起業家の方はぜひ活用いただけますと幸いです。

    projection-ai 7日間フリートライアル

    「VCが事業計画をみるポイント」シリーズの記事はこちら


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